2013年3月25日月曜日

さらば安売り

3月12日の日経ビジネスオンラインで、「さらば安売り」と題された記事が掲載されました。
町の小さな家電販売店が、量販店の2倍の値段で製品を販売している、というものです。

読み進めていくと、この販売店は、単に家電製品を売るわけではなく、取りつけ・メンテナンス・故障対応といったアフターサービスはもちろん、それだけではなく、「お客様を病院まで連れて」いったり、「お客様の好きな番組の録画設定」をしてあげたり、雨どいの掃除、郵便物の受け取りなど販売した製品とは関係のないサービスまで徹底して行い、お客様の絶大なご贔屓を獲得しています。
一見、物凄い無駄がありそうで、そんな時間ないと、と思うかもしれません。しかし、お客様の生活にまで入ることで、「量販店だと半額で買えるけど、同じ買うならあそこがいいわ」と引き出すことに成功しています。

今はインターネットを使って簡単に最安値を探せる時代です。とにかくコスト削減し、人員削減し、減った人員の分まで働き、必死で販売価格を下げても、どこかのお店で1円でも安い価格が付けられると、見向きもされません。
安さで爆発するのは、自分自身かもしれないのです。

「世の中には、価格を重視する顧客ばかりではない。」

この家電量販店の言葉は、とても大切だと思います。

最近お勧めされて読んだ本に、「ダン・S・ケネディの世界一ずる賢い価格戦略」という本があります。
まさに、安易な値下げ競争に突入することの危険を説いています。
そして、いかにして適切な、時には通常の価格より高額の値付けをしながらも、自社の商品やサービスをお客様に喜んで購入してもらうか、そのためのメソッドが紹介されています。


「価格だけを重視しているのではなくて、○○を重視している」顧客を設定する。
そこにシフトすることで、価格競争を避けるだけではなく、同業者とは違う地位を確立することができます。

私たちの業界もどんどん価格は下がってきていますが、そのような地位を如何にして獲得するか、考えどころですね。


さらば安売り! ウチは「量販店の2倍の価格」でテレビが売れる