2014年6月2日月曜日

動物農場

ジョージ・オーウェルの「動物農場」を読みました。

人間の経営する農場で、ある日動物が反乱を起こして人間を追い出しました。
動物は一番頭のいい豚をリーダーに、動物の楽園を作ったのです。

動物たちは人間を拒絶し、お互いに平等な立場として農場で暮らし始めました。
暮らしは良くはならなくても、自分たちのために働くことに喜びを見出します。

ところが徐々に体制は揺らいでいきます。

物語はロシアのスターリン体制をパロディに皮肉ったものだそうです。
最初は動物みんなのために立ち上がった豚は、少しずつ自分たちに特権を加えていきます。そして動物たちから摘み取るために反対する意思を獰猛な犬を従え、皆を威嚇し、恭順させていきます。豚と動物たちとの間に、支配者層・被支配者層という明らかな壁が作られていきます。
そしてリーダーに全てを任せて自ら考えない動物たちは、気がついた時には搾取される側になってしまっています。

物語ではそういった動物たち”可哀想”という論調ではなくて、動物たちは簡単に誤魔化され、説得され、納得してしまう無知をただ曝け出す存在としています。
結局現代でも政治やメディアによって簡単にミスリードされてしまう民衆を淡々と皮肉っているように感じました。