2012年9月29日土曜日

おとん力

みなさん、こちらの動画をご覧になりました?


父親が、息子のために最高のプレゼントをするという動画です。
子どもが大切にしているおもちゃを気球に取りつけて成層圏まで飛ばした様子を撮影したものです。父親は気球を飛ばして動画を撮って編集しただけではなく、ちゃんと付近を航空機が飛んでいないかの確認と許可を得て、また落下したときにけが人がでないよう、風向きと落下地点まで計算して最大限の配慮をしています。これを実現するために、どれだけ知識と行動が必要でしょうか。ロマンが詰まりまくりの動画に、とても感動しました。


これを見てると、ふと冒険野郎マクガイバーを思い出しました。
リチャード・ディーン・アンダーソン扮するマクガイバーが、様々なピンチに陥った時に、化学や物理の知識を総動員して、手近にあるものでピンチを切り抜けていく、そんな冒険活劇です。

そういえば、マクガイバーがピンチに陥るといつも回想シーンに切り替わり「私が子どものとき、父が○○と○○を使って、××となることを見せてくれた・・・」みたいなナレーションが流れるんですよね。



マクガイバー


父の教えって偉大です。



たまに、「子育ては妻に任せている」といった事をおっしゃる父親を見かけるわけですが、母の教えられることと、父の教えられることは、全く違います。
子どもが将来立派な冒険野郎になるためには、父の教えが大きな役割を果たすのです。もちろん、母子家庭・父子家庭で子育てをされている方を否定するつもりはありません。母子・父子家庭は、母父がいる家庭とはまた違った、とても大切な事を子どもに伝えられる環境だと思っているので、どちらが良い悪いとは思っていません。

しかしながら、母、父がいながら何もしない父の存在と言うのは、大いに問題があります。身近にいる父から、何も心をかけてもらっていないという感情を与えてしまうからです。

「子どもは食卓の会話で育つ」と言ったのはグラックス兄弟の偉大な母コルネリアですが、単なる子どもとの会話でも、母親の知識と経験からくる話題と、父親の知識と経験からくる話題は、全く別の物となるでしょう。子どもにとっては、2種類の人間から知識を吸収できるチャンスなわけです。

父親である皆さんは、このチャンスを活かして、お子様がこれからの激動の21世紀を乗り切るために、如何に接し、教え、導いていくのかを真剣に考えるときが来ていると思うんです。
是非、父の持つ影響力「おとん力」を高めて、お子様の可能性を最大限広げていっていただきたいと思います。

「おとん力」。なんかいいですね。さっき名づけました。来年の流行語大賞目指します。


さて、我が家の大黒柱であるところの父はかなり子どもと遊ぶのが上手で、聞いた話によると昔は近所の子供たちをぞろぞろと引き連れて遊んでいたリアルハーメルン状態だったそうです。

僕が子どものころ、父とよく部屋で相撲をしていました。当然、全く相手にはならないのですが、どうにか勝ちたくて、ある日、父の股下をくぐって、後ろから押すという戦法を編み出したことがありました。

幼い子どもが一生懸命に考えた、大人に勝つ方法を父は評価してくれたのでしょう。そのまま押し出して勝つことができたのです。
その時の、父に勝てたという記憶は、いまだに鮮烈に頭に残っています。
そして、言葉はなかったけども、父から認めてもらったという喜びは、忘れることのできない思い出として記憶にあります。

同じ戦法は、2度と通じませんでしたけども。


子どもと勝負事をして遊ぶ事はよくあると思いますが、ただコテンパンに勝つのではなく、かといって手を抜くのでもなく、子どもの努力を見てあげる遊び方というのは、とても良い「おとん力」だと思います。